セックスしたことないのにクリスマスに性病になったことが明らかになった哀れな女の話


セックスとか性病に罹ったとかいう話はおおっぴらにすることではない、という主張はわかります。

私もそう思っていたのでそういう話は今まであまりしてきませんでした(ただし架空の成人男性同士の性交渉を除く)。
しかし性や身体に関することは誰でも向き合うことであるのに、なぜことさらに秘匿しなければならないのかという疑問があります 。

人は隠れてセックスをする生き物だとはいいますが、 この性に開放的になりつつあるご時世、 よりフリーな情報開示をしたっていいんじゃないか。

「 セックスしたことないのに性病にかかった」という、 あんまりにもあんまりな情報は特に。

多くの人は話したがらんだろ。人に直接聞くに聞けず、 困惑する女性たちがこの記事に辿り着いてくれれば嬉しいです。

それに私はもう多感な思春期の少女ではありません。 恥じらいももうないです。 恥ばかりの人生なので今更どうでもいいんです。

全てのことはホント些事。

そういうわけで、 この記事を書いています。 あと正味な話多くの人に同情されたいという気持ちもあります。

 

 


さてここからが本題なのですが、 私が罹ったのは性器ヘルペスです。 その名の通り性器にヘルペスができる、痛くてしんどい病気です。唇のヘルペス生殖器版です。もちろん男性も罹ります。

セックスしたことないのにどうして私がこの病気に罹ったのか、 まずは時系列を追っていきたいと思います。

 


20日(金)
夕方から発熱。異常な寒気がすると思ったら39℃の熱。


21日(土)
なんと早朝に平熱に戻る。パワープレイにも程がある。 比較的元気になりましたが、 この時点で既に陰部に痛みに近い痒みがありました。 前日発熱で風呂に入れなかったせいかと思い、 入浴してよく洗っただけで放置。


22日(日)
出勤したら人員が足りていたので勤務時間40分で退勤させてもら いました。ホワイト〜! しかし職場がホワイトであろうと陰部の違和感は消えない。


23日(月)
上司が神なので年休を取らされました。上司愛してるよ( kiss)
陰部の違和感がますます強くなり、歩くと痛むようになりました。 鏡で確認したところヘルペスらしきツブツブがあった。「 セックスしたことないのに性器ヘルペスに罹った」ことを確信し、 その直後からTwitterで暴れます。 情けないほど平常心を失っていました。お恥ずかしい。


24日(火)
朝のトイレで痛すぎて泣きました。思わず「殺してくれ」 って言っちゃったよ。女騎士か? 
仕事を早退して産婦人科へ。恥辱の台とも呼ばれる、 下半身すっぽんぽんで股をぱかーんと開かされる台に乗せられ、 5秒で「あ〜ヘルペスですね〜」と診断されました。診断早いな! 女医さんだったのがせめてもの救いでした。

 


以上です。


ここで解説を加えると、 23日にすぐに鏡を見て性器ヘルペスだと気付いたのには理由があります。過去にも罹ったことがあったからです。


セックスしたことないのに。


そう、セックスしたこともないのに、再発!!

 


初めて罹ったのは中学三年生の時、 滋賀県に旅行に行って生まれて初めて琵琶湖を見た時でした。

その頃から既に琵琶湖大好きマンだったわけですが、 それは本筋と全く関係ないので置いておきます。
無論中学生の頃もセックスなどしたことなどなく、 純朴な中学生生活を満喫し、 野山に混じりて竹を取ったりキノコを取ったりしていました。 超山奥育ちだったので……
旅行中体調を崩した私は、 違和感を覚えながらも旅館の共同浴場を利用しました。 旅行の醍醐味は温泉ですから……
後々わかったのですがその時既にインフルエンザに罹っていました。 琵琶湖のほとりで痰と鼻水が詰まって呼吸困難で死にかけたりしたんだから気付いて欲しかったですが、中学生の頃の私は今と変わらず馬鹿だったので仕方ありません。 馬鹿が風邪を引かないのは風邪という概念を知らないからなのです 。


帰宅後、受診した産婦人科で「 おそらく抵抗力の低い状態で入浴したせいでヘルペスウイルスがうつったんでしょう」と言われたのですが、 思春期の繊細なハートはズタズタでした。

セックスしたことないのに性病になるなんて! 歩けないほど痛く、そして屈辱的で、 しくしくと泣いた覚えがあります。

医者に「抵抗力が弱まった時に再発するかもしれないから気をつけてね」 とも言われたのが尚更辛かったのです。

気をつけてねって何をどう気をつけろっちゅーんや! アホか! 今、当時のことを思い出しながらこの文を書いているのですが、 中学生の頃の私への同情を禁じ得ません。なんてかわいそうな私。


そういうこともあり、 鏡を見てすぐにヘルペスだと分かったのです。症状が( 中学生の頃ほどひどくはないけれども)ほぼ同じでした。


しかし時期が時期なのです。
よく思い出してください。私は24日に受診しています。 12月24日、クリスマスイブ。 アベック蔓延る街を早足で産婦人科へ向かう私の気持ちを想像してみてください。

思春期の頃ほど繊細な人間ではなくなって久しいですが、 それにしてもあんまりです。あんまりだよ! 酷いわ!
この歳になったんだからそりゃセックスして性病に罹ったなら納得できるよ。勉強代だねって言って素直に治療費も払えたし、 自業自得だよな〜とも笑えた。パートナーと「すまんわ〜 ヘルペスなったわ〜、お前が犯人か!」と喧嘩することもできた。


でも私、セックスしたことないんですよ!!


なのにこのざまですよ?!?!


解せねえよな〜〜、本当に解せねえ。納得いかんな〜〜。
「ばっちい手で触ったんじゃないの?」 と賢姉賢妹はお思いかもしれませんが、触ってません。

中高生の頃性教育の授業のたびに己の胎の中に生殖器が詰まっていることが地雷すぎて泣きながらトイレで吐いていた人間が、

未だに己の生殖機能を全否定したくてたまらない人間が、

産婦人科で「子宮って特に理由なく取ったりできないんですか?」 と訊いた人間が、

そうそう己の性欲と正直に向き合えるわけがないのだ!( いつもボーイズラブ小説を読んだり小川のせせらぎ音を聞いたりして発散させています。)

 

なお私の性自認は女性ですし、身体も女性です。 女性であることが嫌ではありませんが、ただ一つ、 胎に詰まった生殖器とそれに付随する生殖機能が嫌なのです。

理由はわかりません。 性に厳格に育てられたわけでもなく、 性的暴力や性的虐待を受けたわけでもない。本当に謎です。

この多様性の時代の中、私のような人にもいずれ名称が生まれる気がします。 もしかしたら私が知らないだけで既にあるのかもしれません。


ヘルペスについては薬を処方されたので、 ちゃんと飲んでしっかり治していこうと思います。

皆さんも女性特有の器官や機能に違和感やトラブルがあったら、 恥ずかしがらず産婦人科に行きましょう。恥ずかしいことではないし、放置していると苦しいですから。


それではみなさん、メリークリスマス! 避妊と性病予防にお気をつけくださいね。

 

 

 

12月28日追記

 

ヘルペスは治りましたが今は切れ痔で呻いております。続く下半身トラブル、迫る年末!

しかし私にとって切れ痔は恒常イベントみたいなものなので大したことはないです。

皆様良いお年を。